
暮らしを照らす
北欧に学ぶ、必要な場所に必要な灯りを。 住まいの照明を考えるとき、「部屋全体をどれだけ明るくするか」を基準にしていませんか。 もちろん、生活に必要な明るさは大切です。しかし、食事をする場所、本を読む場所、ゆっくりくつろぐ場所では、求められる光が異なります。 S・CAPEが大切にしたいのは、部屋全体をいつも同じ明るさにするのではなく、必要な場所に、必要な明るさの灯りを補うという考え方です。 照明器具の種類、光の色、まぶしさ、そして明るさの調整。その組み合わせによって、同じ空間でも過ごし心地は変わります。
- ◆参考記事・資料
- ◆* Louis Poulsen「Light Matters」
- ◆* Panasonic「光源の光色と演色性」
- ◆* Panasonic「調光・調色コントローラ」
- ◆* Panasonic「調光可能型LED照明器具・接続台数表」
- ◆* Panasonic「コーブ照明(折り上げ天井)」
- ◆* Panasonic「コーニス照明」
- ◆※本記事は、メーカーの公開資料を参考に、住まいへの取り入れ方をS・CAPEの設計視点で整理したものです。器具・調光器の適合条件は、採用時点のメーカー資料で確認してください。
北欧に学ぶ、必要な場所に必要な灯りを。
住まいの照明を考えるとき、「部屋全体をどれだけ明るくするか」を基準にしていませんか。
もちろん、生活に必要な明るさは大切です。しかし、食事をする場所、本を読む場所、ゆっくりくつろぐ場所では、求められる光が異なります。
S・CAPEが大切にしたいのは、部屋全体をいつも同じ明るさにするのではなく、必要な場所に、必要な明るさの灯りを補うという考え方です。
照明器具の種類、光の色、まぶしさ、そして明るさの調整。その組み合わせによって、同じ空間でも過ごし心地は変わります。
北欧の照明から学ぶ「光の居場所」
北欧の照明デザインには、単に明るさを確保するだけでなく、人が心地よく過ごせる光をつくる考え方が見られます。
デンマークの照明メーカー、ルイスポールセンも、高さの異なる照明を組み合わせ、室内に「光の島」をつくる方法を紹介しています。複数の灯りによって、空間に奥行きや雰囲気を生む発想です。(louispoulsen.com)
食卓にはペンダントライト。読書をする椅子の横にはスタンドライト。壁や棚には、周囲の明るさを穏やかに補う灯り。
北欧の住まいを一律に語ることはできませんが、この考え方は日本の住宅にも取り入れられます。
大切なのは、北欧の照明器具を置くことそのものではありません。「そこで誰が、何をして過ごすのか」から、光の位置と役割を考えることです。
「明るい」と「心地よい」は、同じではない
明るさを確保していても、光源が直接目に入ったり、テレビや光沢のある天板に強く映り込んだりすると、落ち着かない空間になることがあります。
照明を選ぶ際には、器具の形だけでなく、光がどの方向へ届くのか、光源がどの位置から見えるのかを確認します。
特に、ソファやベッドでは、立った状態とくつろいだ姿勢で見え方が変わります。実際に過ごす人の目線で、まぶしさを確かめることが大切です。
一方、雰囲気を優先して暗くしすぎるのも適切ではありません。手元や足元には必要な明るさを確保し、周囲との極端な明暗差を避ける。心地よさと使いやすさを、両方から考えます。
調光によって、暮らしに合う明るさを選ぶ
照明計画では、灯りの位置に加えて、照度を調整できることも重要です。
照度とは、テーブルや床などの面に届く光の量を表す指標です。食事、読書、掃除、くつろぎでは、必要な明るさが異なります。
そこで役立つのが、調光器です。照明の光量を変えることで、過ごし方に合わせて明るさを調整できます。
掃除のときは全体を明るくする。食事のときは食卓を中心に灯す。夜にくつろぐときは、スタンドや壁面の灯りを中心にする。
すべてを一度に明るくするのではなく、照明を別々に点灯できるようにし、必要に応じて調光する。その組み合わせが、住まいの使い方を広げます。
ただし、調光器はどの照明にも使えるわけではありません。調光対応の器具・電球と、適合する調光器を組み合わせ、接続台数なども確認する必要があります。(www2.panasonic.biz)

照明の種類と、それぞれの役割
照明には、手元を照らすもの、壁や天井を照らすもの、足元の安全を支えるものがあります。
以下は、器具の形・光の向き・照らし方による分類をまとめたものです。役割が重なるものもあるため、種類を増やすことより、目的に合った組み合わせを考えます。
種類 特徴と使い方
ダウンライト 主に天井に埋め込み、下方向へ光を届けます。通路や作業場所などに活用し、家具配置や人の目線に合わせて設置します。
アッパーライト 下から上へ光を届け、天井・壁・植物などを照らします。空間の高さや立体感を引き出し、反射光で周囲の明るさを補う使い方もできます。
コーブ照明 折り上げ天井などに器具を隠し、主に天井を照らす間接照明です。天井面からの反射光で、空間を柔らかく照らします。
コーニス照明 天井際などに器具を隠し、主に壁面へ下向きに光を届けます。壁やカーテンの表情を引き出します。
ブラケットライト 壁に取り付ける照明です。玄関・廊下・階段・ベッドサイドなどに用い、器具自体もインテリアの一部になります。
ペンダントライト 天井から吊り下げる照明です。食卓やカウンターなど、過ごす場所を光で際立たせます。吊り高さと視線の関係が重要です。
シーリングライト 天井に直接取り付ける照明です。広く光を届けるタイプは全体照明に適しており、調光や部分照明との併用で使い分けができます。
スタンドライト 床やテーブルに置く照明です。フロアライトやテーブルランプなどがあり、家具配置や暮らしの変化に合わせて移動できます。
フットライト 足元や床面を照らします。夜間の廊下・階段・水回りへの移動を支え、段差の見え方やまぶしさに配慮して設置します。
ウォールウォッシャー 壁面を広く、できるだけ均一に照らします。壁の明るさを確保し、空間の広がりや明るさ感を補います。
その他 スポットライト、棚下灯、家具内照明、屋外照明など。照らす対象や用途に合わせて、必要な光を補います。
コーブ照明は主に天井を、コーニス照明は主に壁を照らします。どちらも光源だけでなく、光を受ける面の色・素材や、器具を隠す建築の納まりまで含めた計画が必要です。(www2.panasonic.biz, www2.panasonic.biz)
白色・温白色・電球色を使い分ける
照明は、光の色味によっても空間の印象が変わります。
その色味を表す指標が「色温度」です。単位はK(ケルビン)で、数値が低いほど暖かみのある光に、高いほど白み・青みのある光になります。
住宅でまず押さえたいのが、白色・温白色・電球色です。
光の色 代表的な色温度の目安 印象と取り入れ方
白色 約4,000K 黄みが少なく、すっきりした印象。作業場所などで検討しやすい光です。
温白色 約3,500K 白色と電球色の中間にあたる、ほどよい暖かみ。くつろぎと作業を兼ねる空間にも取り入れやすい光です。
電球色 約2,700〜3,000K 暖かみのある色合い。リビング・ダイニング・寝室などで、落ち着いた雰囲気をつくりたいときに検討します。
※数値は代表例で、製品によって異なります。このほかに昼白色・昼光色もあります。(www2.panasonic.biz)
色温度は、用途だけで一律に決めるものではありません。壁や床の素材、家具、住む人の好みも含めて選びます。一続きのLDKなどでは、同時に目に入る灯りの色味を整えると、まとまりのある空間になります。
なお、色温度と照度は別の要素です。白い光だから必要な明るさが足りる、電球色だから暗い、というわけではありません。
照明は、家具配置と一緒に考える
照明は、間取りが完成してから器具だけを選ぶものではありません。
食卓の位置、ソファの向き、読書をする場所が決まると、必要な光の位置も見えてきます。あわせて、コンセントやスイッチの位置、点灯を分ける範囲、調光の有無を検討します。
また、壁や天井に組み込む照明では、器具の交換や清掃ができることも重要です。見た目の美しさと、使い続けるための扱いやすさを両立させます。
引渡し時にすべてを固定せず、スタンドライトなどを加えながら、暮らしに合わせて整えていける余地も残したいと考えています。

必要な場所に、必要な明るさの灯りを
照明計画は、器具の数や明るさだけで決まるものではありません。
どこを照らすか。どの程度の明るさにするか。どのような色味にするか。そして、暮らしに合わせてどう切り替えるか。
部屋を均一に照らすだけでなく、そこで過ごす時間を照らす。
S・CAPEは、建築・家具・照明を一体で考え、日々の暮らしに寄り添う光の環境を提案します。


